大学入学試験に哲学を

2013年、新しい年がきました。
世の中は、「あけましておめでとう」というのが常識でしょう。私は、あまり祝う気持ちにはなっていません。
ほんとに祝えるには、これから国民一人一人が、政治に自覚をもって参加することだと思います。先の選挙でも若い年齢層の投票率が低かったそうですが、未来がある人こそ、これからの社会をどうするのか考え、積極的に行動することが必要です。「ではの神」と海外生活経験者は揶揄されるけれど、フランスの高校生は、教育制度が改正される時、全国的なデモをし、改悪を止めた。日本でも選挙権を18歳にしようという意見もあるようですが、いまのままの若者の政治への意識の低さでは、それこそ国の方向が、とんでもない方へ行くかもしれません。これは、若い人の責任ではなく日本の学校教育に政治を考え語らせることは、ご法度的なムードがあるからだと思います。
戦後の教育が、愛国心を失墜し家庭崩壊を招いたと、新政権は憲法改正や教育改革もするという。しかし戦後の長い間政権を執ってきたのは、保守自民党の流れであり、それが失敗だとすれば責任は自らにあると言えないでしょうか。
フランスでは、学校教育に哲学が組み込まれて、常に人生について考える訓練がなされているという。教育改革というと戦前の愛国心教育や家族制度を持ち出したがる政治家ーそれも戦争中も知らない若い人が居るのには、驚いてしまいます。改革するのなら、規則のような小手先の改革でなく、人々の人としてどう生きるかの心の改革にしてもらいたいと思います。フランスのバカロレア(大学入学資格試験)には、文系、理系とも哲学が必須で、「人間は死について学ぶ必要があるか」、「知識は創造の妨げとなるか」などの問題が過去にありましたが、20点満点で、どんな優れた回答も満点はとれないそうです。神様だけが満点を取れるというウイットもある。しかし、これはフランス人のほとんどが、この問題に真剣に取り組むというシステムになっているのが、すごいと思います。日本も1月の統一大学受験問題に、哲学を必須にしてみたらどうでしょうね。憲法改正するなら、その導入後10年くらいにしてはどうかしらね〜。