(財)広島平和文化センターを訪問

 先月末、久しぶりに広島平和文化センターを訪れ、理事長さんにお会いしました。スティーブン・リーバー理事長さんは、米国出身の第二次世界大戦時には、まだこの世に生を受けていない世代の人です。
 この人の経歴を見ると、ウエスジョージア大学で臨床心理学を学び、1985年から広島を拠点として、平和関係資料などの翻訳業務に関わる一方、「グローバル・ピースメーカーズ・アソシエーション」というグループを主宰するなど、世界の核兵器廃絶のために活動を続けられてきました。
その思想は、心理学を修めた方らしく、高く、思慮深さに富み、しかも高い理想というだけではなく、個々人が努力し、連携すれば実現不可能ではない提言をされており、大いに共感しました。
 体験者が痛みを述べることも大切ですが、その痛みを自分の痛みとして共有してくれる人を増やし、世界をあの悲惨な核戦争から救う手段を冷静に考え実行していくのは、難しいことです。
広島、長崎の原爆投下を正当化している米国の人々に、その当時の真相を知らせるということは、これまでは難しいことでした。
リーバーさんは、全米で原爆展を実施し、100箇所を超える教会、学校で核廃絶のプレゼンテーションをされたそうです。
核兵器を使用した国の人が、自らこのような行動を取ってくれるということ、それは広島、長崎の被害者にとって、一番望むことであり、また世界の人々ににも説得力のあることだろうと思います。
核兵器廃絶」については、日本国内でも一筋縄でいかない雰囲気の中、リーバーさんを理事長に据えた広島の決意を感じたことでした