若い人たちの朗読劇

昨年、「1945年 夏 長崎、それから」角川学芸出版を世に出しました。初めての散文詩なので、作品に自信があるわけではなかったのですが、夏の話題になるのか、東京新聞茨城新聞長崎新聞などに、本人がびっくりするほど、大きくとりあげてもらいました。この本を読んでくれた26歳の女性が、高校生、大学生、社会人など20代の男女8名と「ナイロンのリボンの会」を立ち上げ、10月2日に筑西市の図書館で朗読劇を披露してくれることになりました。
内容は、タイトルから分かるように、長崎の原爆投下と、それからを生き抜いた人たちを、読みやすい散文詩にしたものです。ナイロンのリボンという散文詩には、このリボンが初めて売り出されたころの私自身の思い出を書きました。
当時は原爆で働き手の父と兄を亡くした我が家は、苦しい生活を強いられていて、ぜいたくな買い物など出来ません。雑貨屋さんの店先の見たこともないような光沢のナイロンのリボンを横目で見るだけのある日、担任の先生が、そっとナイロンのりぼんをくださった、、。
この詩から、会の名前をつけたというのです。
とかく最近の若者は文句も言わないが行動も起こさない、無気力だと言われます。
しかし、こうして、「長崎、広島、福島原発から、本当の平和について、考えよう」という活動が、若い人たちによってなされることに、とても意義あることだと思います。被爆地でも被爆者の高齢化で、被爆者の証言も難しくこれからどう伝えていくかが問題になっています。被爆地ではない所でこのような活動が盛んになることが大事なことかと思います。
福島原発事故も、やはり被爆地以外では原爆投下による放射能の影響など他人事でしかなかったから、54基もの原発を容認してきたのではないかと思います。また「長崎、広島」を伝え続けてきたはずの私自身、その無力さに萎えてしまった感じです。
賞をもらうよりなにより、若い人たちに共感してもらったことに、元気をもらいました。また、大きく取り上げてもらったマスコミの方にも、ちょっとだけ安心してもらえるのではないかと、ほっとしています。
10月2日、筑西市明野図書館、PM14:00からです。お近くの方、よかったらお出かけください。