本物だった昔の仲間

1979年末から1983年末まで、名古屋に居た。全く知らない土地だった。1980年の春、一番下の子どもが幼稚園に入り、その上が小学校入学、長男が小学5年生になった。長男は既に3回も転校していた。転勤族の宿命だ。私は、それまでの2回の海外生活の体験から、主婦でも、自分の夢を諦めて、家族のせいにはすまいと思っていたので、たった3年か2年の滞在期間ではあっても、「ここで生きた」と実感できる過ごし方をしようと決めていた。そして、たった一人で始めたのが
「主婦の参加する講座に、保育をつけさせる運動」だった。署名活動で、毎日アパートの玄関先に立った。戦後の生活に辛酸を嘗めた母の葬式の翌日にも、署名用紙を持って立っていた。お陰で悲しみを忘れていた?ようにも思う。気が着いたら、心優しい地元の主婦が、私を支えてくれていた。1年半の活動の末、やっと、私が住む千種社会教育センターの講座に保育がついた。「あひる」という保育支援のボランティアまでみんなで立ち上げ、子育て中の若い母親の講座を開いた。
 その時の昔の仲間が3日、久しぶりに集まってくれた。今、市内16箇所の社会教育センターに全部ついていて、有償の保育になっているそうだ。
 その後、メンバーの一人、Mさんは、他の2人の仲間とオガニィックカフェや、無添加パン屋さん、健康な暮らしのための雑貨屋さんなど店を開き、儲けられなくても健康的で地球にやさしい生活を提供しようと頑張っている。先日の長野の旅で、循環型社会を実践している、「しゃろむヒュッテ」に泊まり、いたく感動していたら、昔の仲間は、それを都会で違った形で展開していて、「しゃろむ(平和)ヒュッテ」のことなど、とっくに知り尽くしているようで、まいりましたという思いだった。たった3年で引っ掻き回して東京に転居し、その後それほど懇ろに付き合っていたわけではないのに、忙しい中を「待っていたよ!」と集まってくれた昔の仲間、ほかにも自慢したい生き方をしている人ばかり。ほんとに、いい人たちに出会っていたと、嬉しく感動ものだった。
ちなみに、仲間の店は、名古屋市の地下鉄、東山線一社にある「オーガニックカフェポランの広場」「ゾンネガルテン(食品、雑貨)」「バックスチューベ(パン)」というお店です。ついでがあったら、寄ってみて下さい。