ほんとうの「国際理解教育」とは?

先週、10数年前仲間と立ち上げ、現在若い世代の人たちが活動をつないでくれている「グローバル化社会の教育研究会」に出席しました。
千葉のある高校で国際理解教育の授業をやっておられる福田先生のお話でした。福田先生は大きな自動車会社の海外支店の社長だった方で、教育界とは無縁の方です。しかしその授業のプログラムは、迫力がありました。教育界とは無縁の人がどう授業を構成していくのかと、半ば疑問を持ちながらの参加でしたが、導入から授業の検証まで、緊張感あふれるしっかりしたものでした。その話の中で、教室の生徒達、職員室の先生方の雰囲気が何とも元気がないという指摘がありました。国際化といいながら、なかなかそうならず、自分の意志を通せば、迷惑や不愉快さを他に与えてもかまわないといった「井の中の蛙」思考で海外に出て行く若者が登場してもどうも不思議ではなさそうです。
 この研究会から帰宅したら、タイ国のT君からDVDが届いてました。豪華な彼の結婚式の様子が収録されていました。もう20年余り前のことですが、T君は都立小石川工業高校を卒業し帰国して、大学に進学した後、日系企業で活躍しています。あの時、T君の姉のSさんも市谷商業高校を卒業し、わが息子も都立普通高校を卒業することになって、三叉架けの卒業式を巡り歩いたことを、思い出しました。外国人を受け入れたのは両高校とも初めてのことでしたが、実践で国際理解教育を受けたことになったのではと思います。それ以来このような例はなく、都立国際高校ができましたが、今やエリート高校になっていて、T君、Sさんのような短期駐在の外国人子弟が、公立高校へは進学できないようです。ついでにこの下の妹2人も公立の小中を卒業し4人とも日系企業に就職、日本びいきのタイ人として立派に実を結んでいます。彼らも頑張りましたが、当時の両高校、T君が1年通った中学校の関係者の方々の努力に感謝でいっぱいです。
「国際理解教育」とは、異文化の人を入れて実体験することこそ、ベストだと思うのですが、、、。それがダメなら、福田先生のような海外体験者に「国際理解教育」をしてもらってはどうでしょうか。