「長崎の証言の会」に日本平和学会から平和賞!

「長崎の証言の会」という被爆者の体験を1968年から、証言集に纏めて世に出してきた会があるのを、ご存知でしょうか?
先々週の土曜日、茨城大学で開かれた日本平和学会で、学会の平和賞がこの「長崎の証言の会」に贈られました。42年間に約1000編の証言を纏めましたが、1冊300ページを越す証言集は、これからも年1回発行されていくはずです。
私がこの会を知ったのは、約20年前に「社会文学会」が長崎で開催された時でした。この会で「長崎の証言の会」を立ち上げられた秋月辰一郎先生(原爆死の同心円で有名な医師)とお会いし、活動を知りました。
その頃、「長崎の女(ひと)」という被爆女性の小説を中央出版社(現、サンパウロ)から、出版してもらったばかりでしたので、拙い作品ながら1冊先生に贈呈しました。後日ご丁寧な感想とその時のスナップ写真をたくさんいただき、それは大切に今も保管しています。
この作品はNHKの文化講座、芥川賞作家、畑山博先生の教室で書き上げたもので、畑山先生の「いい作品です」と最後に一言コメントがあったことに押されて、出版社に持ち込んだものでしたが、無名にもかかわらず出版社からOKが出て、嬉しかったことを覚えています。しかし、秋月先生方が出される証言はどんなフィクションよりも原爆の実態をリアルに表現されていて、読む人の心を動かすものとなっています。
この証言集は単に証言を書き残すだけでなく、被爆体験のない人たちの原爆認識の形成、そこから生まれた反原発反核運動の基盤にもなり、また、日本以外のアジア諸国への加害認識の啓発もしてきたのです。
長年、この証言集の編集に携わってこられた濱崎先生が授賞式に来られましたが、ささやかなお祝いを持って会場まで行ってきました。

濱崎先生の悩みは、その証言集がはけない事です。もしほしい団体や個人がいらっしゃったら、ぜひTEL/FAX095−848−6879へ連絡してみてください。