かわいそうなひまわり

かわいそうなひまわりー福島原発事故によせて

                 鶴 文乃
黄金の花びらを 太陽に向け、
ふりそそぐ光を 大きな葉っぱで精一杯受け止め
堂々と華やかに立ちつくす ひまわり。

かって、累々たる屍の眠る戦場(いくさば)を 覆いつくしたひまわり
花の黄色は、人の心を明るくし、緑の葉は、人の心を穏やかにして
数え切れない悲しみを、慰めてきた。

そして 今、
豊かで恵み多かった大地が、身勝手な人間に汚(よご)されて
あらゆる生き物の命が 脅かされる
その不健康な大地に、ひまわりは否応(いやおう)なく植えられ
大地の穢(けが)れをひたすら吸い取って枯れていく。

いつもなら、
枯れたひまわりは堆肥になって、大切な小麦やとうもろこしを
元気に育てるはずだった
しかし、汚(よご)れたひまわりは 土にかえることは許されず、
行き場のない厄介ものになるという。

ああ、かわいそうな ひまわり!
清らかな大地が、一日も早く蘇り、ひまわりが再び太陽を見上げ、
背筋をピンとして咲き誇る時がくるように
わたしもあなたも、いったい何をやったらいいのだろう!

それは、一人一人が命を育む大地を、愛くしみ大切に思うこと。
さあ、少し勇気を出して、小さなことから 何かをやってみょう
かわいそうなひまわりのために、
そして、なによりわたしたち自らの未来のために。


             2011・7・28 記

私は詩人ではありませんが、今の気持ちを記しました。日野市の5日のイベントで発表されます。もしこれでよかったら、どうぞ、皆さん使ってください。
今、私がやれることですから。鶴