長崎原爆忌

8月9日、ナガサキ原爆忌でした。朝早く家を出て、浅草の今戸にある日蓮宗名刹、深栄山長昌寺を訪ねました。
このお寺は、毎年「平和の鐘、一振り運動」に賛同して梵鐘を鳴らしてくださっています。時々ここのお坊様から、丁寧なお便りをいただき、一度お目にかかりたいと思っていました。昨年の地震で鐘楼が少し傾き、鐘を撞くのは危険だということでしたので、それでは本堂の鉦でと半ば強引に押しかけたのです。
ここのお寺は、もともと浅草寺の座主を務めておられた寂海法印が、のちに日寂と名を改め1321年に現在の地に長昌寺を、開山されたという由緒あるお寺です。この辺りのお寺には、「鐘淵沈鐘伝説」があり、昔水害でいくつかの梵鐘が鐘淵に沈んだと言われていて、その中一つを1720年に再録してつくられたのが、現在の銅鐘という。
東京の台東区というところにもかかわらず、思ったより広いスペースに本堂や、観音堂、鐘楼があり、落ち着いた雰囲気は、ほっとするものがあります。確かに鐘楼が少し傾いていて、屋根にはブルーシートが覆っていました。
海光院代様と奥様はじめ檀家の方々など10名ほどの人たちが歓迎してくださいました。鐘楼は10日から改修工事にかかるということでしたが、一つ撞くくらいなら大丈夫でしょうと、海光様自ら午前11時2分に一撞きしてくださり、その後、心に響く読経を耳にしながら、参加者の皆さんともどもヒロシマナガサキ、そしてフクシマの犠牲者の冥福を祈り、これからの世界の平和を祈願しました。そして、「平和の鐘、一振り」の意味を少しお話させていただきました。一振りは、原爆投下のたった10秒間で1945年末までに、広島、長崎の21万人以上の死者が出ることが決まったという、TVドキュメンタリーの報告を見て、その一瞬を体感することができれば、「核の恐怖」をみんなが共有することができるのでは?と思い、一振りにしたこと。2006年から海外にその旨、発信したこと、2007年からは国内にも発信し、じょじょに広がっていることなどを。鐘に拘らず、神社の太鼓、学校のチャイムなどなんでもOK.みんな、一つの音は、10秒より長いのですが、それほどの一瞬の破壊力と放射能をばらまく核は、絶対になくしていかねばとお伝えしました。そして、この運動の一番の目的は、「平和のために、一振りしてください」という勇気を持って行動する人を増やすこと。小さなことでも行動することが、自分の問題になるのですから。
このお寺に働きかけてくださった方は春山さんというシルバーエッジのおば様です。あなたのお陰で、素敵な長崎原爆忌を過ごせました。そしてこれから、あなたの勇気がますます人々を繋いでいってくれることでしょう。感謝!